先日、あるニュース番組で観た「東京ラーメン界の生存競争」についての特集。内容は厳しい現実の連続でした。
毎月60店舗がオープンし、消えていく店も同じくらい。更に、繁盛店の目安となる1日300杯を売る店は、全体の上位数パーセント。
このような話を聞くたびに、僕は思うのです。
「消えていく店のうち2〜3店舗でもいいから、福岡県に移転してくれませんか?」と。
もちろんそれは「一竜軒みたいなラーメン店」ではなく、鶏白湯、つけ麺、ベジポタの店などを希望しているのは言うまでもありませんが。
さて、そのようなレッドオーシャン化した東京ラーメン界において、あえて、最も難易度が高いとされる「塩ラーメン」で勝負するということ。
それは無謀な挑戦ではありません。どんなラーメンを作っても構わないのに自ら高いハードルを設定する高い志の証なのであります。
-----訪麺店評価リスト-----
らーめん えんや(塩らーめん 750円)4.0点<王子>
関東のニュース番組で取り上げられることが多いのでご存じの方も多いでしょう。「立川ラーメンスクエア」のラーメンコンテスト「ラーメントライアウト」
そのトライアウトでの優勝経験のある塩ラーメン店がこちら「えんや」であります。
塩ラーメンにも色々なタイプがありますが、こちらのスープはキリッと塩気を感じつつ、旨みも十分の高品質。
麺はすべすべした触感で、口の中でぐるぐる回る忙しいタイプ。このタイプの麺は正直苦手なのですが、それはそれ。
いい塩ラーメンです。
ドゥエ イタリアン シオサイト(Sio 780円)4.3点<新橋>
市ヶ谷の本店で食べたのはちょうど4年前。基本の「Sio」は、ああ思い出す、さすがの安定感&安心感。
ガーリックでの変化は○。塩ラーメンとは言いつつも、当然のように旨味たっぷりのスープ、滑らかな麺も啜り心地がよい。
すごくいい塩ラーメンです。
ちなみに、汐留のシオサイトはイタリアンなショッピングモールでして、店のコンセプトとベストマッチな立地であります。
川崎のイタリアンショッピングモール「ラチッタデラ」に出店していた頃の「ドゥエイタリアン」を思い出しました。もう6年も前のことですが・・・。
麺処 土田八(どたはち伝説中華そば 850円)4.0点<西大井>
塩ラーメンの店、というだけでも少数派なのに、輪をかけて店主の個性全開の店。それがこの「土田八」
まず、メニュー構成が理解しづらい。「どたはち伝説中華そば」「どたはち伝説中華そばA」があって、限定15食は「どたはち伝説中華そば」の方。
事前情報を持たずに訪麺したので、何味かも不明。店内を見渡すと塩ラーメンらしいが、先客は醤油ラーメン食べてるし?
(後にこれは常連向けの特別なラーメンらしいことが判明)
結局は限定の「どたはち伝説中華そば」を食べたのですが、食材オタクらしい店の方針からか、
シンプルな塩味に鶏の原始的な旨味。かなり淡いラーメンです。丼の中で最も主張していたのは、短冊切りのネギのような。
考えさせながら食べさせることを厭わない、哲学的な一杯。何よりもこの難解さで勝負する気概を買いたい、そう思ってしまいました。
すごく難しいラーメンです。
-----今号のおすすめショット-----
おそらく上位数パーセントに入ることはないと思われますが、この店のトンガリ具合は営業を長く続ければ続けるほど味がでそう。
そういう意味で皆に知ってほしい「土田八」は、はい、こんなラーメンです。
※各店舗の営業時間、住所等の情報は、オゴポコの中で超らーめんナビより利用頻度が高くなってきたラーメンバンクで確認ください