
中州の街へ向かう煌びやかなお姉さん達へ、心の中で「おつかれ麺です」と呟きながら、
オゴポコは「めんちゃんラーメン」の前に到着しました。
職場から歩いて10分ほどの距離にありながら、前回訪麺からの歳月は既に3年半が経過していました。
自分の足下を見直す意味で、最近福岡の有名店を周ることが多くなってきたオゴポコにとって、
この店への訪麺は名島亭同様、過去の美化された記憶と現実との擦り合せが主目的なのです。
開店時間は毎晩19時。
一般社会とは時間軸がずれた中州では、この時間に「めんちゃんラーメン」を訪れる客はほとんどありません。
オゴポコはガランとした店内の一番端に座り、「ラーメンかため」を静かに注文すると、
壁一面を埋め尽くす芸能人やプロ野球選手のサインを眺めていました。

ラーメンは一杯600円。こちらの店同様、これが中洲価格というものかもしれません。
オゴポコは一目ラーメンを見るや「博多ラーメンにしては華やかだな」と感じました。
ゴマ、ネギ、キクラゲ、チャーシューが最初から盛りつけられていたからです。
でも、冷静に考えてみると、ひとつひとつの具は特筆すべきものではないことに気付きました。
オゴポコは、真鍋製麺の細麺をかきわけ、まずはスープを口に運びました。
このスープのキーワードは「粘り」。オゴポコはそう感じました。
スープの表面には、犠牲となった豚さん達の脂片がはっきりと視認できるほど浮遊していて、
そのせいなのか、輪郭のくっきりした太い旨みがクセになりそうな引力をもたらしてくれます。そして、粘っこい。
例えるなら、全盛期の川相選手(巨人→中日)がツーストライクからでもきっちりライン際に送りバントを
決めてくるような粘っこい攻めに似た感じでしょうか(ちなみに彼のサイン色紙は未確認)。
職人です。紛れもなく職人です。
但し、この職人の技は、おそらく人によっては受付けがたい粘質的な技と言えるでしょう。ですが、
この道に携わって25年以上というご主人が作るラーメンは、電飾と闇が同居する九州随一の
歓楽街にあってなお、真っ白な純粋さを保ちながら続いてきた、その事実は認識せねばなりません。
無事に擦り合せ作業を終えたオゴポコは、この日のメインステージを後にし、
エキストラステージへと歩みを進めます。
そのときすれ違ったサラリーマン達は、会社では見せないであろうウキウキ
した表情で、先ほどのお姉さんを追うかのように中州の街へ消えていくのでした。
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めんちゃんラーメン
住所:福岡市博多区上川端町3-1
時間:19:00〜28:00
休み:日、祝
HP:?
点数:4.0点
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込んでいて通された席は腕すら動かせない状況
客のことをあまり考えているとはいえない店
そこのところを我慢できるなら入ってみてもよいかも
ほぼ食べずに帰りました
その話が本当であれば、残念なことです。
そういうときは、キチンと店に言うべきです。